貸別荘癒の宿「風香山荘」にようこそ。「阿蘇南外輪山の自然」のページでは、「風香山荘」を訪れる方のために、御船町の吉無田高原を含む阿蘇南外輪山やその周辺の自然の姿を四季ごとに紹介していきます。ぜひ、熊本の素晴らしい自然を満喫してください。
●晩秋に咲くヨメナの花(2015.11.13) ●風香山荘から見た秋の冠ヶ岳と草原(2015.10.29) ●風香野草園を彩るツワブキの黄花(2015.10.22) ●深山をイメージするサラシナショウマ(2015.10.19) ●秋を知らせるジンジソウの白花(2015.10.10) ●オオバギボウシの花が咲きました(2015.8.20) ●コバノギボウシの薄紫の花が咲きました(2015.8.15) ●和服が似合うマツカゼソウ(2015.8.15)
阿蘇南外輪山の麓では、夏から秋にかけてヨメナ(キク科ヨメナ属)の花が見られます。和名は「嫁菜」で春の若葉は食用となります。食べ方は若芽や新葉を採取、熱湯でさっとゆでてから水にさらし、和え物、おひたし、汁の実などにします。また、昔は乾燥したヨメナを解熱・利尿剤としても利用していたそうです。11月はヨメナの花を見る最後の時期になりますが、御船町田代や山都町金内では、稲刈りの終わった棚田でヨメナの花がひっそりと咲き残っています。
10月末の風香山荘は、すっかり晩秋の趣に彩られています。阿蘇南外輪の風景からは、濃緑の色彩が消え、渋い色が中心となっています。遠く右奥に見えるのが冠ヶ岳。その左手前が高畑山。さらに左奥にうっすらと見えているのが俵山です。高畑山の手前には一面の牧野が広がり、その中に牧場の大型サイロが小さく見えますが、その奥には人家もなく、ただ原野と森が広がっているだけです。あと1ヵ月もすれば原野に霜が降り、12月には冠ヶ岳山頂に霧氷が見られます。
ツワブキは、海辺の山などに自生しているキク科の多年草です。常緑なので冬場も楽しめるため個人の庭や公園などにもよく植えられますが、標高650メートルの風香野草園では、冬には葉が枯れてしまいます。写真のツワブキは、水俣市出身のオーナーが実家に戻った時に持ち帰ったものですが、10月には見事な黄花が咲きました。「キャラブキ」はツワブキの若い葉茎を佃煮としたもので、市販のフキの佃煮と比べると香りの強さに驚かされます。
五家荘などの深山でしか見ることができないサラシナショウマが、風香野草園で咲いています。オーナーが五家荘で種を採取し、野草園に播いていたものが、ようやく花をつけるようになりました。写真ではわかりませんが、やわらかな葉には細かい切れ込みがあり、深山にふさわしい姿をしています。特徴的なのが、茎の先の白い花のかたまりです。和名は「晒菜升麻」、キンポウゲ科サラシナショウマ属で、似た仲間にオオバショウマがあります。
阿蘇南外輪の沢の奥にジンジソウの花が咲く季節となりました。ジンジソウはユキノシタ科ユキノシタ属の多年草で湿り気のある岩壁などによく自生しています。花はユキノシタによく似ていますが、葉には紅紫色の模様はなく、そのかわり深い切れ込みがあります。和名は「人字草」で、下に垂れた花弁が「人」の字に似ていることからの命名とされています。10月になると風香野草園にジンジソウの花が点々と咲き始めます。
近くの原野で、オオバギボウシの花が満開となりました。オオバギボウシはユリ科の多年草で、山地の草原や丘陵地に多く自生しています。風香山荘近くの阿蘇郡西原村の原野では、オオバギボウシが多く見られ、7〜9月に白色の花をたくさんつけます。卵形の葉もきれいで、観葉植物としても楽しめます。写真は風香野草園で撮影したもので、8月になると庭の樹木の下のあちこちで大振りの白い花が咲き誇っています。
コバノギボウシはオオバギボウシと同じユリ科の多年草。その名の通り、葉が小型で、陽当たりの良い湿地などに見られます。オオバギボウシの花が白なのに対して、こちらは薄い紫色。ラッパ型の可憐な花が下向きに咲きます。花の時期はオオバギボウシよりやや早く、7月から8月にかけて花期を迎えます。写真は風香野草園で撮影したもので、吉無田高原の樹林の中や阿蘇南外輪山の原野でも野生のコバノギボウシを見かけることがあります。
高さ50〜80センチほどの多年草で、8月から10月まで長い期間にわたり花が見られます。やわらかく控えめな葉にふさわしい可憐な白花が特徴です。和名は「松風草」で、その優雅さから、和服の似合う美女の趣があります。ハマビシ科の植物で、山地の森の中などで時々見かけることができます。写真は風香野草園で撮影したもので、九州脊梁山地の林道の脇などでも群落をつくっていることがあります。